Emigre   作:Flyer

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Was the Moon Alive?

High-ranking nobles who have completed migration are obliged to use the latest technology to report the lunar situation in detail to the royal family. That's why the monthly report, released under the General Document Publish Obligation, has generated a lot of interest. Marquis Evoorte, an upper class noble, said that the moon "can't go outside, but it's very quiet", and furthermore, "I've hired an explorer to conduct a field survey. Please wait for the next report." was commenting.However, a royal employee who was carrying the documents that were supposed to be disclosed today was attacked by someone, and a large amount of papers were scattered in the district several hours later. It read in large letters, "The moon was alive."

The culprit was the messenger of Count Miwoshi, who controlled the suburban area, and the king invited him to join the royal family. Now just waiting for the next one.

 

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提供:1区諜報機関「金枝」開発のシナジーを用いた「前世界」

「シナジー」の提供に感謝します。

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月は生物だった?

 移住を完了した上流貴族は最新技術を使用して月の状況を明細に王室へ届けることを義務付けられている。そのため、一般文書開示義務で公開された月のレポートは多くの関心を寄せている。上流貴族、エヴォールテ侯爵は月を「外には出れないがとても静かである」と語り、更には「探索家を雇っているので今実地調査を行ってもらっている。次報を待ってほしい」とコメントしていた。

しかし、今日開示されるはずだった文書を運んでいた王室職員が何者かに襲撃され、数時間後に大量の紙が区内にばら撒かれた。そこには大きな文字で「月は生きていた」と書かれていた。

犯人は郊外地域を統制していたミウォシ伯爵の使いで、王はミウォシ伯爵に王室への招待を行った。今は次を待つのみである。

 

最近は情報だけが混濁しているために頭の回る日々だ。今回のこの騒動は皆が真実だと信じている。ミウォシ伯爵は父の知り合いであったから恐らく此方にも監視の目が光るだろう。

今は1455年6月22日。多分きっと月に移住した上流貴族達はてんやわんやしていることだろう。月が生き物だという根拠はミウォシ伯爵の使いが持っているはずだからそれを吐けば更なる混乱が招かれる。

前王が亡くなってからあと2ヶ月もすれば1年が経過する。代わった王が直面した状況は下克上と人ならざるもの同士の争いに塗れた貴族社会だった。王は諜報機関を設立したとだけ伝え、貴族を統率するためにスパイを貴族同士のパーティなどに忍び込ませ、不法行為を行なっているものを貧富問わず摘発した。その中で特に罪の重い4人の上流貴族と2人の下流貴族は王が自ら処刑を行った。その様子は新聞にも取り上げられた。

 

王による処刑

 王は座に就いてから1ヶ月の間に諜報機関を立ち上げ、それから3ヶ月間貴族同士のパーティや内部機関にスパイを侵入させ、不法なことを行なっていないか調査したという。近頃の1区は混沌に塗れ、また前王が亡くなったことに対するショックも相当なものであったから1区の機能自体が衰退して行っていた。そこに鞭を打ったのが先日の王による処刑である。処刑は上流貴族であるウォン侯爵とグレートモルドル侯爵と他二名。下流貴族のパックヘル伯爵に行なわれた。

 引き継ぎ式以来姿を民に見せなかった王だが、処刑時には白の服を着、処刑に集まった民を一瞥した。暗殺の可能性もあるため、ボディーガードが付けられたが結局最後まで暴動を起こす者はいなかった。王は処刑人の剣を持つと、その剣は輝きを増した様に見えた。侯爵達の前に立ち、次のように話す。

「お前達は1区に多大な貢献をしてくれたのだろう。多大な援助を我々に与えてくれたのだろう。バックヘル伯爵は4つのパンを裏路地に住む3人の家族にそれぞれ分け与え、ウォン侯爵、あなたは私に1区の歴史書を下さった。グレートモルドル侯爵は冷夏の際、自らの食事を削ってまで家来とその家族に貧しい思いをさせないように尽力した。しかしそれらの功績を持ってしても相殺などできない罪はこの星に多数存在する。

父は私にこのような言葉を口癖のように言っていた。一度は聞いたことがあるだろう。『光を齎す葦となれ』。今日、お前達を臣民の前で処刑することとなったのは歴史的伝統である。父のその言葉を心に刻み、己の罪を悔いてほしい」

 処刑は直ぐに終わり、解散となった。去りゆく民衆の中では「魔王だ...平然と人を殺す魔王だ。まだ若々しい、私の娘と歳は幾つ離れているんだ。2か、3か?」と聞こえてきた。当新聞社では毎月、王の支持率をインタビューしている。下記の日時にアンケートを行うので是非来てほしい。

 

写真には剣を持った王が映されていた。どこを見ているかわからない目だが、信念を持った行動をしているあたりどうあってほしいか分からない。

新聞を机に置いた。小さな葉が浮いたお茶を啜り、机の上に乗せた組まれた足を解く。カップをポットの近くに置き、薬草を採取するために道を歩く。鳥の声は1区では聞こえない。代わりに人の声は7区では聞こえない。薬草はやや色が濁っている。此方は摘み取るだけで使いはしない。

植物の水槽の水は濁っていないから虫に食われたか。そろそろ夏だな。

何も起きなければいいが、大体、1区の革命運動は終わらないだろうし、月が起きたことでどのような影響があるかどうかも分からない。水に葉を入れ、沸かす。口から出る蒸気の匂いはリラックスさせてくれる。

魔王...魔王か。面白い。確かにそうかもしれない。アイツはそういう性格だからな。


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